2025.07.22
浮気されたけど離婚したくない…夫婦関係を再構築するためのステップ

夫を許せない、でも離婚も怖い(A子さんの相談)
品川さん、以前ご相談したA子です。あの後、夫は浮気を認めて「二度としない」と謝罪しました。ですが、私の気持ちがまったく追いつかなくて…。子供たちも独立し、これからの人生を考えた時に、今さら一人になるのも怖いですし、経済的な不安もあります。だから、離婚はしたくないんです。でも、夫の顔を見るのも辛くて…どうすればいいのでしょうか。
A子さん、お辛い中、よくいらっしゃいました。証拠を基にご主人と話をされたのですね。長年連れ添ったパートナーへの裏切りは、簡単に許せるものではありません。特にA子さんのように、これからの人生を考えた時に、関係修復という道を選びたいけれど、心がついていかない、という方は非常に多いです。それは決して弱いことではありません。関係再構築は、離婚を選ぶことと同じくらい、勇気がいる決断なのですから。今日は、その険しい道を歩むための「地図」を一緒に作りましょう。
目次
ステップ1:まず「冷却期間」を設ける
- A子さん
- 地図…ですか。もう、何から手をつけていいのか分からなくて…。
- 品川めぐみ
- まず、焦ってはいけません。今の感情が昂った状態で無理に「許そう」「仲良くしよう」としても、必ず無理が生じます。ですから、最初のステップとして「冷却期間」を設けましょう。例えば1ヶ月など、期間を決めて「浮気問題については一切話さない」というルールを作るのです。その間は、夫婦というより「同居人」として、必要最低限の会話で過ごします。大切なのは、お互いに感情が落ち着くのを待つことです。A子さんご自身も、ご自分の趣味の時間や友人と会う時間を大切にして、少しでも心が休まる時間を作ってください。
- A子さん
- 話さなくていい、というのは、少し気持ちが楽になります。今は何を話しても、嫌味になってしまいそうで…。
ステップ2:事実確認と「再構築のルール」の設定

- 品川めぐみ
- 感情が少し落ち着いたら、次に進みます。関係を再構築するためには、避けては通れない「事実確認」と「ルール作り」です。これは、今後の夫婦関係の土台となる非常に重要なステップです。
最低限、約束させるべきこと
- 品川めぐみ
- まず、ご主人に以下のことを誠実に実行させなければなりません。
- 浮気相手との関係を完全に清算させる: A子さんの目の前で、連絡先やSNSアカウントを削除させるなど、関係が完全に断たれたことを明確に示させます。
- 二度と裏切らないという誓約書を書かせる: 口約束だけでは不十分です。「次に不貞行為があった場合は、一切の言い訳をせず、妻の提示する条件(慰謝料、離婚等)に従います」といった内容の誓約書を自筆で書かせ、署名・捺印させることが重要です。これは法的なお守りにもなります。
- A子さん
- 誓約書…そこまでさせるべきなのですね。
- 品川めぐみ
- はい。言葉だけでなく、形で示させる覚悟があるのかどうか。それを見極めるためです。
ステップ3:失われた信頼を取り戻すための長い道のり
夫側がすべき努力と、あなた(妻側)の心の持ち方
- A子さん
- そこまでしても、また疑ってしまう自分がいると思います。信じたいのに、信じられないんです。
- 品川めぐみ
- それは当然の感情です。失われた信頼を取り戻すのは、ここからが本番であり、最も長く険しい道のりです。これは、夫婦双方の努力が必要不可欠です。ご主人は、信頼を「取り戻させてもらう」立場ですから、自発的な行動で誠意を示し続ける必要があります。一方で、A子さんご自身も辛いとは思いますが、「許す努力」を意識することが求められます。過去の過ちをことあるごとに蒸し返したり、常に監視したりする生活は、新たな不信感しか生みません。ご主人が誠意を示してくれているのであれば、その行動を少しずつ評価し、未来に目を向ける意識が大切です。監視や疑いが日常になってしまうと、夫婦の間に新しい信頼が育つ余地がなくなってしまいます。安らげるはずの家庭が、ご主人にとって息苦しい「居場所のない空間」に変わってしまった時、それが再度の裏切りや、最終的な離婚の引き金になってしまうケースを、私たちは残念ながら何度も見てきているのです。
夫婦で新しい思い出を作る
- 品川めぐみ
- そして、壊れた関係を修復するには、傷ついた記憶を、新しい楽しい記憶で上書きしていく作業が有効です。二人で新しい趣味を始める、旅行の計画を立てるなど、夫婦として協力して楽しめる時間を作り、ポジティブな思い出を積み重ねていきましょう。
どうしても無理な時は、専門家の助けを
- A子さん
- …とても、長い道のりですね。正直、二人だけでやり遂げる自信がありません。
- 品川めぐみ
- そう感じるのは、まったくおかしなことではありません。当事者同士では、どうしても感情的になってしまい、うまく話し合えないこともあります。そのような時は、夫婦問題専門のカウンセラーなど、第三者の助けを借りるのも非常に有効な手段です。客観的な立場の専門家が間に入ることで、お互いが本音を話しやすくなり、解決の糸口が見えることがあります。
まとめ:再構築は「新しい関係」を築くこと
「浮気されたけど離婚したくない…」相談ポイントまとめ
- 焦らない
まずは冷却期間を設け、感情を落ち着かせることが第一歩です。 - ルールを作る
相手との関係清算や誓約書の作成など、再構築のための明確なルールを設けましょう。 - 双方の努力
夫は行動で誠意を示し続け、妻は許す努力を意識するなど、双方の歩み寄りが不可欠です。 - 専門家を頼る
二人だけでは難しいと感じたら、夫婦カウンセリングなど専門家の力を借りることを躊躇わないでください。
- A子さん
- ありがとうございます。再構築というのは、元の関係に戻るんじゃなくて、全く新しい関係を一から作っていくことなんですね。少し、前向きな気持ちになれました。
- 品川めぐみ
- まさしく、その通りです。簡単な道ではありませんが、今回のことを乗り越えたご夫婦は、以前よりもっと深く、強い絆で結ばれることもあります。私たちは調査だけでなく、その後の人生の再設計についてもしっかりとサポートさせていただきます。証拠を掴んだ後どうするかで悩まれたらいつでもご相談ください。いつでもまた、お気持ちを聞かせにいらしてください。