2026.05.18
不倫の慰謝料は「二重取り」できる?配偶者と不倫相手の両方に請求する方法

「二人合わせて600万円」は可能?Nさんの疑問
品川さん、どうしても許せないんです。夫と不倫相手の女性、二人ともに慰謝料を請求したいと思っています。ネットで調べたら相場は300万円くらいと書いてありましたが、夫から300万円、相手からも300万円、合計600万円受け取ることはできるのでしょうか?二人でやったことなんだから、それぞれが責任を取るべきですよね?
Nさん、お怒りはごもっともです。二人の裏切りによって受けた傷は、一人からお金をもらったからといって癒えるものではありません。「二人それぞれに満額を支払わせたい」というお気持ち、よく分かります。
しかし、法律の世界では、ここが少し複雑なんです。結論から申し上げますと、不倫の慰謝料において、残念ながら単純な「満額の二重取り」は認められないのが原則です。今日は、その理由と、Nさんが最大限の補償を受け取るための考え方を整理しましょう。
目次
不倫の慰謝料は「二人で一つの財布」
- 品川めぐみ
- なぜ二重取りができないのか。それは、不倫(不貞行為)が「二人共同で行った一つの不法行為」とみなされるからです。これを法律用語で「不真正連帯債務」と呼びます。
簡単に言うと、不倫によってNさんが受けた「心の傷(損害)」が、例えば300万円と判定された場合、夫と不倫相手の二人が共同して、その300万円を支払う義務を負うということです。 - Nさん
- つまり、一人が全額払ったら、もう一人は払わなくて良くなるということですか?
- 品川めぐみ
- その通りです。
- 夫が300万円払ったら、不倫相手の義務は消滅します。
- 相手が150万円、夫が150万円払って、合計300万円になっても完了です。
合計額を最大化するための戦略

- Nさん
- それじゃあ、結局一人から取るのと変わらないじゃないですか…。
- 品川めぐみ
- そうとも限りませんよ。Nさんが受け取れる合計額を最大化するためのポイントが2つあります。
1. 「損害の総額」そのものを引き上げる
そもそも全体の慰謝料額が300万円ではなく、500万円、600万円と認められるような状況を作ることです。婚姻期間の長さや、相手の悪質性など、慰謝料が増額される要素をしっかりと主張し、ベースとなる金額を高く設定させます。
2. 交渉の順序と「示談」の活用
裁判(判決)では厳格に金額が決められてしまいますが、示談(話し合い)であれば柔軟な解決が可能です。
例えば、不倫相手に対して「夫とは別に、あなた自身の誠意としてこれだけ払ってほしい」と個別に交渉し、相手が納得して支払えば、実質的に相場以上の金額を確保できるケースもあります。
鍵を握るのは「言い逃れできない証拠」
- 品川めぐみ
- 夫と不倫相手の両方に強く請求し、少しでも高い金額を認めさせるために最も必要なもの。それはやはり、「二人の不貞関係を完璧に立証できる証拠」です。
不倫相手は往々にして「私はそこまで払う義務はない」「配偶者に請求してくれ」と逃げの体勢に入ります。しかし、プロが掴んだ決定的な証拠があれば、二人の「責任のなすりつけ合い」を許さず、全体として高い慰謝料額を認めさせるための最大の武器になります。
まとめ:納得のいく解決のために
「慰謝料の二重取り」相談ポイントまとめ
- ポイント1:法的には「総額」が決まっている
不倫は連帯責任のため、合計して「損害の額」を超えて受け取ることは原則できない。 - ポイント2:両方に請求すること自体は可能
「どちらに、いくら請求するか」は自由。両方に全額を請求して、先に払った方から受け取る形が一般的。 - ポイント3:証拠があれば交渉が有利になる
強力な証拠は、夫と相手の逃げ道を塞ぎ、全体として高い慰謝料額を認めさせるための不可欠な材料。
- Nさん
- 単純な足し算にはいかないけれど、戦略次第で受け取れる金額は変わるんですね。二人を楽にさせないためにも、まずは言い逃れできない証拠を突きつけて、しっかり責任を取らせたいと思います。
- 品川めぐみ
- その意気です。Nさんが受けた苦痛を正当に評価させ、最大限の誠意を引き出すために、私たちは裏切りの証拠を完璧に揃えます。納得のいく決着を目指して、一緒に頑張りましょう。







