2025.08.25
興信所と探偵事務所の違いとは?どちらに依頼すべき?

興信所と探偵、どちらに頼めば…(Eさんの相談)
品川さん、はじめまして。Eと申します。実は、新規の取引先について企業の信用調査をしたいと考えているのですが、調べると「探偵事務所」と「興信所」、両方がでてきます。正直、この二つの違いがよく分からず、どちらに依頼するのが適切なのか判断に困っています。
Eさん、はじめまして。品川めぐみです。企業の信用調査、経営者の方にとっては非常に重要なことですよね。そして、「探偵」と「興信所」の違い、これは本当に多くの方が疑問に思われる点です。ご安心ください。今日はその歴史的な背景から、現在の法的な立ち位置、そして「どちらに何を頼むべきか」という実践的な使い分けまで、詳しく解説します。
目次
もともとの成り立ちの違い
- 品川めぐみ
- 歴史を遡ると、この二つには明確な違いがありました。
- 興信所:明治時代に日本で生まれた業態で、主に企業の信用度や資産状況を調べる「信用調査」を専門としていました。
- 探偵事務所:海外から入ってきた概念で、個人の行動を追跡する「素行調査」、つまり浮気調査や家出人捜索などを得意としていました。
- Eさん
- なるほど。もともとは、興信所が法人向け、探偵が個人向け、という棲み分けがあったのですね。
現在の法的な立ち位置:「違いはない」

- 品川めぐみ
- はい。しかし、ここからが重要なのですが、現在の法律(探偵業法)上は、この二つに法的な区別は一切ありません。どちらも同じ「探偵業」として公安委員会に届け出を行い、同じ法律の規制の中で調査業務を行っています。
- Eさん
- ということは、今ではどちらも同じ業務を行っている、ということですか?
- 品川めぐみ
- その通りです。多くの事務所が「〇〇探偵興信所」のように両方の名前を掲げていることからも分かるように、現在ではほとんどの事務所が、浮気調査のような個人向け調査から、企業の信用調査まで、両方の業務を請け負っています。
実態としての使い分け:得意分野を見極める
- 品川めぐみ
- とは言え、やはりそれぞれの事務所には、歴史的な背景からくる「得意分野」の傾向が残っています。
- 興信所を名乗る事務所:企業調査や結婚前の信用調査など、データ収集や聞き込みを得意とする傾向があります。
- 探偵事務所を名乗る事務所:浮気調査など、尾行・張込み・撮影といった実働調査を得意とする傾向があります。
- Eさん
- ということは、今回の私のケース(企業の信用調査)であれば、「興信所」の名前を掲げている事務所の方が、より専門的である可能性が高い、ということでしょうか。
- 品川めぐみ
- 一般論としては、そのように考えられます。しかし、最も重要なのは名前ではなく、その事務所が実際にどのような調査実績を持っているかです。例えば、信頼できる探偵事務所であれば、公式サイトに法人向けの調査メニューや実績を明記しているはずです。私たち品川めぐみ調査事務所も、「探偵事務所」を名乗っていますが、企業様からのご依頼で、採用候補者のバックグラウンドチェックや、取引先の信用調査なども数多く手掛けております。
まとめ:名前ではなく「実績」で選ぶ
「興信所と探偵事務所の違い」相談ポイントまとめ
- 歴史的には
興信所は「信用調査」、探偵は「素行調査」が専門でした。 - 法的には
現在はどちらも同じ「探偵業」であり、法的な違いはありません。 - 実態としては
得意分野に傾向はありますが、重要なのは名前ではなく、依頼したい調査分野での「実績」です。
- Eさん
- よく分かりました。名前の違いに惑わされず、自分が依頼したい調査分野での実績があるかどうかを、しっかり見極めるべきなのですね。
- 品川めぐみ
- まさしく、その通りです。これでスッキリされたかと存じます。安心して相談する事務所を選ぶことができそうでしょうか。