2026.07.13

夫(妻)と不倫相手、どちらを先に訴えるべき?

戦略的な責任追及のために(D子さんの相談)

品川さん、今日は非常に現実的で戦術的なお話を伺いたくて参りました。夫が職場の部下と不倫している事実を、夫のスマホ画面から掴みました。私は管理職として働いていますし、自分の力で生きていく経済力はあります。ただ、中学生の子供の環境や今後の学費を考えると、すぐに離婚すべきかどうかはまだ迷っています。
しかし、私と家庭をこれほど裏切っていた夫と不倫相手の女性に対し、法的なペナルティだけはきっちりと与えたいのです。ネットで調べると、夫と相手の「両方を同時に訴えるべき」という意見もあれば、「どちらか片方を先にするべき」という話もあり、混乱しています。法的な観点から見て、戦略的にどちらを先に訴える(請求する)のが私にとって有利なのでしょうか?

D子さん、お仕事と子育てを両立されながら、これほどの裏切りに直面され、その心中たるやどれほどの怒りと悔しさで満ちているか、お察しいたします。それでもなお、感情に流されず「自分にとって最も有利な戦略」を立てようとされている冷静さは、非常に素晴らしい強みですね。
まず、結論から申し上げますと、「どちらを先にすべきか、あるいは同時にすべきかは、D子さんが今後『夫と離婚するかどうか』によって大きく変わる」というのが答えになります。
不倫の慰謝料請求は、その順番によってメリットとデメリットがはっきりと分かれます。本日はそれぞれの選択肢が持つ法的な意味と、賢く立ち回るためのポイントを分かりやすく整理していきましょう。

知っておきたい「共同不法行為」という基本ルール

品川めぐみ
具体的な順番のお話に入る前に、まずは不倫・浮気の慰謝料請求に関する基本的なルールを一つだけおさらいさせてください。
法律上、不倫(不貞行為)は夫と不倫相手の二人が共同で行った不法行為とみなされます。これは法律で「共同不法行為」と呼び、二人は連帯して妻の精神的苦痛を償う義務(連帯債務)を負うことになります。
例えば、裁判所が認める妥当な慰謝料の総額が200万円だったとしましょう。この200万円は、夫と相手に「100万円ずつ個別に請求する」というものではなく、「二人合わせて200万円の枠を支払う義務がある」という扱いになります。したがって、妻側は夫に200万円全額を請求してもいいですし、不倫相手に200万円全額を請求してもいい、あるいは同時に二人に請求しても自由なのです。
D子さん
誰にいくら請求しても自由な権利があるのですね。では、そのうえで「同時に請求する」「どちらか片方を先にする」という順番のメリット・デメリットを教えてください。

3つの選択肢におけるメリット・デメリット

品川めぐみ
はい、基本となる選択肢は主に以下の3つです。

選択肢①:夫と不倫相手に「同時」に請求する

  • メリット:一度の手続きで双方にプレッシャーを与えられるため、時間のロスが少なく、解決がスピーディーになりやすいです。また、二人がお互いに「相手が悪い」と責任をなすりつけ合うことで、内情の綻びが見えやすくなることもあります。
  • デメリット:双方を相手にするため、D子さん側の心理的・事務的な負担は大きくなります。また、二人が結託して「そんな事実はなかった」と揃って口裏を合わせ、事実を否認してくるリスクが高まります。

選択肢②:まずは「不倫相手の女性」に先に行う

品川めぐみ
  • メリット:特に「夫とは離婚したくない(再構築したい)」と考えている場合に有効な戦略です。夫との関係をこれ以上こじらせずに、家庭の外にいる不倫相手にだけ社会的・金銭的責任を取らせ、夫との接触を断ち切らせる効果が期待できます。
  • デメリット:相手の女性が「私だけが責められるのは納得いかない」と反発し、裏でご主人に助けを求めたり、ご主人に対して後からお金の分担(求償権の行使)を求めてきたりして、結果的に家庭内に火の粉が戻ってくることがあります。

選択肢③:まずは「夫」に対して先に行う

品川めぐみ
  • メリット:夫婦間で離婚交渉や離婚調停を進める際、夫に言い逃れの不可能な材料を突きつけて有利な条件(財産分与や親権、養育費など)を引き出すための強力な切り札になります。夫から回収できれば、そこから手続きを広げる必要がなくなります。
  • デメリット:離婚するかどうかによる慰謝料相場の違いでも解説していますが、離婚をしない場合、夫から慰謝料をもらっても「同じ家計内での財布の移動」になってしまうため、経済的な意味があまりなくなってしまいます。
D子さん
なるほど……。私の場合は、まだ離婚を決めていないので、現時点で夫をいきなり激しく追及すると子供の生活に影響が出かねません。そうなると、まずは「不倫相手の女性」に先に対応を求める(選択肢②)か、あるいは事実の出方を見て「同時」(選択肢①)にするかが現実的な選択肢になりそうですね。

どの順番を選ぶにしても立ちはだかる「最大の壁」

品川めぐみ
D子さん、非常に印刷的な状況分析ですね。ご自身の生活設計や家庭の平穏を守りつつ、相手にダメージを与えるための現実的なアプローチが見えてきたと思います。
しかし、同時であれ、不倫相手が先であれ、実際に慰謝料請求を進める際の大まかな流れのなかで、必ず立ちはだかる共通の壁があります。
それは、相手が言い逃れを図ったり、嘘をついたりしたときに、それを覆せるだけの「客観的な事実の証明(証拠)」があるか、という点です。
D子さん
夫のスマホのLINEのやり取りや、私が問い詰めたときの夫の白状だけでは、不倫相手を追及するには弱いのでしょうか?
品川めぐみ
残念ながら、それだけでは不十分とされるケースが多々あります。詳しくは当事務所のコラム「LINEの履歴だけでも不貞の慰謝料は請求できるのでしょうか?」でも触れていますが、LINEのやり取りだけでは裁判所に不貞行為(肉体関係)を認めさせるのは容易ではありません。
不倫相手に先に対応を求めた場合、相手は「肉体関係はなかった、ただの相談相手だ」「既婚者だとは知らなかった」と保身のための言い訳をしてきます。また、同時に請求した場合でも、二人が裏で結託して「そんなメールは冗談だった」とシラを切られてしまえば、LINEのデータだけではそれ以上の追及が難しくなってしまうのです。
感情論や不確実な材料だけで相手にアプローチをかけると、かわされて終わるだけでなく、証拠を隠滅される隙を与えてしまうことになりかねません。

交渉の主導権を握るために必要な準備

D子さん
つまり、どのような順番の戦略を立てるにしても、まず相手が「肉体関係はなかった」と口にした瞬間にそれを論理的に崩せるような、強い材料をこちらが握っておく必要があるということですね。
品川めぐみ
その通りです。だからこそ、交渉を有利に進めるためには、私たちのような専門家が作成する調査報告書――例えば、言い逃れが困難な、複数回にわたるデートやホテルの出入りを確実に捉えた写真や映像、行動の記録が大きな武器になります。
「これだけの事実がすでに証明されている」という盾を持った状態で初めて、「不倫相手にだけアプローチして夫には内密に示談させる」「言い逃れができない状況を作って二人に同時にプレッシャーをかける」といった戦略が、本来の効果を発揮します。事前の確実な事実確認こそが、D子さんのプライドと正当な権利を守るための土台となります。

まとめ:戦略を成功させるのは、言葉ではなく事実

「どちらを先に訴えるべきか」相談ポイントまとめ

  • ポイント1:今後の関係(離婚の有無)でアプローチを決める
    再構築を望むなら不倫相手のみ、離婚を見据えるなら夫への切り札にするなど、目的によって順番を使い分ける。
  • ポイント2:相手の「口裏合わせ」や「否認」を想定する
    同時や片方ずつの請求に対し、相手がどのような言い訳(保身の嘘)をしてくるかを先回りして考えておくことが重要。
  • ポイント3:事実を証明するデータが戦略を成功に導く
    どのような順番で戦うにしても、LINEなどの脆弱な証拠だけに頼らず、客観的で言い訳の通用しない事実を揃えることが解決への近道。
D子さん
よく分かりました。ただ順番をどうするか悩む前に、まずは相手がどんな言い訳をしてきても動じないだけの、しっかりとした事実関係の証明を揃えることが先決ですね。自分の尊厳を守るためにも、まずは冷静に足元を固めたいと思います。
品川めぐみ
その気丈で冷静なご決断、本当に頼もしいです。D子様がこれからの未来を最も有利に、そして賢く切り拓いていくためにも、私たちは言い逃れの通用しない事実の証明を揃えて全力でバックアップいたします。もし、確実なデータや事実確認が必要だと感じられたなら、私たち石川県金沢市の探偵、品川めぐみ調査事務所が力になります。まずは無料相談で、今の状況からどのような作戦が立てられるか、じっくりとお話しを伺わせててくださいね。

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